夏場や冬場は宴会需要が多く、
売上が上がる時期
でもあります。
飲食店は基本的に売上の季節変動がありますので、
この時期に売上を伸ばしておかないと、
落ち込んでしまう時期にお金が回らなくなる可能性も出てきます。
しかし・・・・
そもそも売上が上がる繁忙期に、原価のコントロールが出来ないと、
いくら売上を上げても手元に残るお金が減ってしまいます。
特に、宴会時の発注方法の管理を怠ると、
利益率が急激に悪化します。
今回は宴会時の適正な仕入方法についてお伝えします。
□宴会予約は在庫ゼロ・ロスゼロが基本
当たり前ですが、
予約は前もって予約人数や注文する料理が決められている場合がほとんどです。
そのため、どのくらい前もって仕入をすればよいか事前にわかるはずです。
つまり、
理論上では仕入れた材料は全て使い切り、
在庫やロスが無い。
ことが基本的な考え方になります。
もちろん、急な来店人数の減少や、使えない材料の部位のロスなどはあるにしても、
基本的には在庫として残らないことが前提になります。
ところが・・・
宴会の時期を終えると、
大量に材料が余ってしまっている
お店は少なくありません。
そのせいで、売上高は上がっても
手元資金が少なく利益が少なくなるという現象がおきてしまいます。
このような状況は、
店の規模が大きくなればなるほど
見られる傾向です。
一体どこに問題点があるのでしょうか。
もし1日1組しか宴会ができない
小さい店だったら・・・
きっと「材料は宴会で使い切る分だけ購入」する店が多いと思います。
しかし、部屋数が多くなって、
多くの宴会が回せるようになると、
「まとめて材料を発注する」ようになり、
無駄な材料が発生する店が多くなるのです。
宴会は多くても、材料が余って手元資金が不足する。
まさに本末店頭です。
もう一度言いますがこの状況は多くの飲食店で起きています。
□問題点は・・・・・?
部屋が多い店の宴会ほど、
宴会メニューもいくつかバリエーションがあり
「材料を発注する人も複数人いる」傾向にあります。
要は今回の無駄な材料が発生してしまっている問題は、
「発注量・発注時期・発注する人」
にバラつきが出ている
ことが原因なのです。
例えば、土曜日に宴会の予約があるとすると、
水曜日に仕入をする必要があるでしょうか?
水曜日ですと、食材も傷みますし、追加予約や予約人数の変更もあるかもしれません。
しかし、材料が多く残ってしまう飲食店は、
日々の仕入と合わせて、
数日前にざっくりと大量仕入をしています。
これでは、いつまでたっても無駄な材料は減りません。
また、ルールも無く、発注をする担当者がいつもバラバラであれば、
原価率はコントロールできるはずがありません。
□宴会時の過剰在庫を防ぐには・・・
宴会時の過剰在庫を防ぐには以下の点に注意しましょう。
(1)宴会プラン・予約人数で発注量を決める
まずは、誰が仕入れても同じ仕入量になるように
宴会メニューと、予約人数で仕入の量を決めておきます(マニュアル化・標準化させる)
(2)発注時期を決める
土・日の宴会であれば、金曜日の朝に仕入をする。
など、一定のルールを決めて周知させましょう。
仕入担当者にはそのルール厳守で仕入をしてもらいます。
(3)仕入担当者、管理者を決める。
仕入の方法にバラつきがあるのは、発注する人が複数いることも原因です。
誰が発注をするのか明確にして、別の人間が管理するような体制を取ります。
例えば、宴会時に材料が多く余っている店では、(1)~(2)を決定した後、
発注者が発注する前に、管理者が発注量をチェックするようにしてもらいます。
ポイントは、発注後にチェックするのではなく、発注する前に第三者がチェックをするということです。
これは手間のかかる方法ではありますが、
慢性化している材料の発注方法にメスをいれるにはこの方法がよいです。
また、発注後に発注量をチェックする管理者もいますが、既に発注が終わっているわけですから、
もし、適正に発注がされてなければ、無駄にお金を払ってしまうわけで、時すでに遅しです。
必ず発注時、もしくは発注前にチェックをしましょう。
この方法をしばらく行うことで、発注者の仕入に対する意識を変えていきます。
この(1)~(3)の方法は、
当たり前のようですが、私の見ている限り、
多くの飲食店でできていないところが多いです。
売上が上がる時期だからこそ、手元に多くお金が残るように。
発注方法をもう一度見直してみましょう。
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