毎日毎日、緻密な原価計算をしているのに、
なぜか適正原価率が達成されない。

このような飲食店は、実は多いです。

なぜそのようなことが起きるのでしょうか。

ココでは、飲食店の現場で起きていることを、

実際にあった事例をもとにわかりやすくご説明します。




 

□達成されない原価率には原因がある

たとえば、税理士さんの出す、損益計算書。
ここに記載されている「原価率」を見ますと、

そこには「42%」という数字が。

すると、店主の方はこう言いました。

「原価率の数値がおかしい!」
「絶対に35%に合わせている!」

話を聞くと、提供する料理はメンミツに全体で35%になるように考えられているようです。

神経に神経を使って、原価を意識していたのに、
42%という数字にガッカリされているような感じでした。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

ちなみに42%という数字には使わなかった材料(以後、在庫と表現します)は含まれてません。

答えは、いろいろありそうですが、

大きな原因の1つと考えられるのが「在庫」です。




 

□料理の原価率は35%、でも在庫は半分残っている

話をすすめていくと、こんなことがわかりました。

「料理は全体で35%にしている」

では毎月材料はどれくらい残っているか・・・

「買った材料は毎月約半分残っている」

と、いうことでした。

最終の原価率が高くなる原因がココにありそうです。

実はこの状況、変多くの飲食店の現場で起きていることなのです。

 

□在庫への意識が低い

このような状況になっている飲食店の多くは、

原価率の意識が提供する料理にのみに集中しすぎています。

例えば、わかりやすく例を説明すると・・・

50円材料を買ってきて、
そのうち30円分を100円で販売すると、

原価率は30%です。

多くの飲食店は、ココの原価率に集中してしまっています。

しかし、
毎月材料が半分くらい残っている飲食店の場合
実際の原価率は30%ではありません。

結論から言うと、
全体の原価率は50%になります。

 

 

□一体どういうこと!?

毎月買った材料の半分くらい残っている飲食店は、
毎月、以下のような行動を起こしています。

すこし極端な例ですが、

(1月)
50円の材料を買い、30円分を100円で販売。
20円分材料残す。

(2月)
50円の材料を買い、30円分を100円で販売。
20円分材料残す。

(3月)
50円の材料を買い、30円分を100円で販売。
20円分材料残す。



わかりますか?

常に20円分の材料が残っている。
つまり、ずーーっと20円が売上になっていないのです。
ものすごくわかりやすく言うと、
売上になってないので、毎月20円分ドブに捨ててると同じです。

と、いうことは・・・
毎月50円の材料を100円で売っていると同じなのです。

つまり原価率は50%になるのです。

このような飲食店は、

毎月材料が残っているにも関わらず、
仕入れ時に「材料を多めに買う」意識が働いています。
無意識に「材料を残すように材料を買っている」のです。




 

□ではどうすればよいのか

ものすごい単純な話ですが、

「多く仕入れるのをやめろ」

これに付きます。
もっと言うと、

売上にもなってない料理のために
多く仕入れている。

という原因が見え隠れしています。

「でも、たまにAさんが注文するし・・」

ということも考えられますが、

たまにしか出ない料理や
儲からない料理に材料代をかけていることほど
無駄でリスキーなことはありません。

特定のAさんには、

もっと美味しい料理を提案する

ことで、楽しませてあげましょう。

ということで原価率の改善には、
とことん原因を追究してみてください。

色々な原因がありますが、

このようにメニュー表の構成に原因があることもよくあります。

断言できますが、
原価率を改善できない飲食店に儲かる店はありません。



 

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